【加須市】武蔵野の原風景が今でも残っている「浮野の里」。日々の生活で心が疲れたらここに訪れてスッキリとリフレッシュしてみませんか。
「浮野の里」は、加須市の多門寺・北篠崎に位置する観光スポットです。ここは近年減少傾向にある武蔵野の自然が比較的良好な状態で残されている希少な場所。その風景は、中高年の世代には懐かしい子供の頃の記憶を呼び覚まし、若い世代にとっては、豊かな自然を通して加須の新たな魅力を発見できるでしょう。
「浮野の里」はただ自然が豊かであるというだけでなく、実はすごい場所なんです。昭和29年10月に埼玉県指定文化財として天然記念物に指定。平成7年度には国土交通省により「水の郷百選」にも認定されています。さらに、平成20年2月には、公益財団法人さいたま緑のトラスト協会により保全地(さいたま緑のトラスト保全地第10号地)にも指定されているんですよ。
浮野は、氷河期に形成された地下水脈の上に存在する湿原だそうです。なんと、明治43年8月に起きた洪水や、昭和22年9月のキャスリン台風による被害にあった時も、ここだけは冠水せず、逆に浮上したという話が残っています。これが「浮野」という名称がこの土地についた由来なんですって。
「浮野の里」には本来高地に生育するトキソウなどの希少植物が自生しているそうなのですが、これも地下水脈の影響による冷涼な環境であるため。貴重な場所なんですね。

ノウルシ群生地
春はノウルシの花の見頃ということでしたが、取材したのは5月上旬で、残念ながらタッチの差で見頃に間に合いませんでした。しかし、ぽかぽか陽気で、なおかつまだ虫の発生も少ない時期のため、とても気持ちよく散策することができました。
浮野の里は街の喧騒から離れて心をリフレッシュさせるのに絶好のポイントです。「名前は知っているけど行ったことはない」「そんな場所があるなんて知らなかった」という方がもしいたら、ぜひ一度訪れてみてください。
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